九州人は短足が多いって話は本当?縄文時代の日本人はどうだった?

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九州人に短足が多いってホント?

以前、ある雑誌で「足が長い県・短い県」というランキングが掲載され、足が短い県のトップが鹿児島県と岡山県、足が長い県のトップが青森県でした。九州勢が突出しているわけではないものの、全体的な傾向では「東日本は足が長く、西日本は短い」状況が明らかに見て取れました。

このランキングをもってして「九州人は足が短い」というレッテルを安易に貼るわけにはいきませんが、世間一般のイメージとして、そうした印象を持たれているのは事実です。これはどれだけ根拠のある話なのでしょうか?

「九州人は短足が多い」という印象には、九州の男性(九州男児)そのもののイメージが深く関わっています。簡単に言えば、質実剛健、豪快で男気があるという、昔の日本人男性のイメージです。昔のマンガなどではこの点を誇張して表現されていることが多く、「背が低くて短足」のイメージが植え付けられてしまった面が確実にあります。

もうひとつは、「九州人は大陸から渡ってきた弥生系で、弥生人は縄文人と比較して短足」という説です。低身長で胴長短足という典型的な日本人体型は、弥生人によって作られたという印象が強いのです。これは、寒冷地に住んでいる弥生人は、温暖な地域に住んでいたとされる縄文人と比較して、足が短いという従来の説によるものです。

近年の研究で従来の説が覆された!?

ところが、近年になって、そんな従来の常識を覆す研究が表れました。北海道や九州、四国、本州にある20の遺跡から発掘された縄文人の骨と、九州北部、島根・山口県から発掘された弥生人の骨から体型を調べたところ、「縄文人と弥生人では足の長さはほとんど変わらなかった」という結果が出たのです。さらに、身長に関しては弥生人のほうがやや高いというデータも出ました。

縄文人・弥生人ともに九州から発掘された骨が研究対象にされていますから、従来の「九州人は弥生系だから短足」という意見は覆されることになります。つまり、縄文時代の日本人は地域を問わず、「足が長い人もいれば、短足もいた」ことになります。ですから、「九州の男性は短足」というのはほとんどイメージだけの世界であり、実際には他の県とそれほど変わらないと見てよいでしょう。

ただし、イメージが評価に大きな影響を及ぼす点はよい参考になります。実際に足が短くても、ファッションでカバーできれば短足扱いされるのを防ぐことができますし、経済力といった他の魅力をアピールすることができれば、そもそも短足のことを指摘される機会が少なくなるでしょう。短足よりも良い面で自分を印象付けられるように、努力することが重要になりそうです。

短足の定義や基本について、「短足の基準とは?男性・女性別の基準やイリザロフ法をはじめとした治療法について探る」にまとめました。

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